日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間の活動を経験。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在139日目:高校の授業を目の当たりにする

 UPでの活動は基本的に週4日です。授業としては割合詰まっているほうだと思いますが、日曜日は休みで土曜日と月曜日についても行かなくてよいというのは、精神的にかなりありがたいものです。とはいっても、うちにいたってすることはありませんし、ひとりでどこかへ出かけるということもほとんどありません*1から、なんとなく学科には顔を出すようにはしている次第です。

 そんなわけで暇な月曜ですから、先週*2に引き続いて「ふろしきレッスンをしてくれ」という依頼にも快く応えることとしました。

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 といいますのも、先週諸事情からなくなってしまったクラスの先生がどうしてもふろしきをやりたいらしく、又生徒たちもゲストの来るのを楽しみにしていた*3ということでして、それなら裏切るわけにはいかないなと思ったわけです。

 やっぱり朝は早めですが、どうにかギリギリの時間に起きて、今日はタクシーを捕まえてみました。ジプニーとトライシクルを乗り継ぐより速いかなと思ってのことでしたが、結果から言うとさしたる違いはありませんでした。どちらかというと運転手が高校の場所を知らなかったために、余分に時間を要した印象すらあります。前回60ペソ(おおよそ150円)で行けたのに対し、今回は150ペソ*4(おおよそ400円)でしたし、今後は大人しく公共の機関で行くことにします。

 

 校門で若干警備員にとめられつつもどうにか教室に向かい、先週と同様のプレゼン、実践をしました。

 前回最後に担当したG7(中1)よりは僅かに年上のG8ということでしたが、打って変わって非常に大人しく、やりやすいクラスでした。この学校のパートナーも言っていたことですが、「1年でここまで変わるのか」という印象です。

 ただ失敗したなぁと思ったのは、包むべきものがちょっと足りなかったことです。前のときは僕の方で余分にボトルや本を持ってきていたのですが、今日は寝坊したこともあって自分の分しか用意がありませんでした。また、これは前回に引き続いての課題ですが、「丸いもの」の包み方を見せるのに、やはりスイカとかドリアンとか、日常において包む可能性のあるものを使ったほうが感動は大きいと思われます。でっかいスイカを持って行って、レクチャーが終わったら切り分けてみんなで食べたりすれば、楽しいですし思い出に残るかもわかりません(50分の授業ではかなり厳しいですが)。

 終わって感想を集めてみますと、中には「レジ袋がないときに便利そう」「家族にも教えてあげたい」という非常にクリエイティブな意見を持っている子も見られたりして、改めてふろしきの便利さが普遍的なものだと考えました。

 

 午後もどのみち暇でしたので、せっかくだからと普段の日本語のクラスを見せていただきました。クラスは前回のG7、中学1年相当ですのでやはり幼いです。テーマは「誕生日」で、「誕生日はいつ?」というフレーズを中心に練習をします。

 ご存知のように、日本語で日付を言うときには、不規則性がかなりあります。10までの日付は全てふつうの読み方と異なりますし、11以降でも14日とか20日とか、覚えることはたくさんあります*5。これは大学生でも躓くところですので、たぶん完全に覚えることは求められておらず、自分の誕生日さえ言えればという程度でよいかと思います。

 騒がしいながらも、アクティビティをはさみつつ授業は進行していて、先生の迫力といいますかパワーに感心しきりでした。途中何人かが僕に誕生日を聞いてきまして、「4月7日」というなかなかイレギュラーな回答を投げかけましたが、表と見比べながらきちんと理解はしてくれたようです。

 重ね重ね、この活気はちょっと僕には明るすぎます。毎日この光のもとにさらされていたら、却って翳りが強くなってしまうような心持です。つくづく派遣先は選ばれているなあと思いました。

 

 ところで、今日はなぜだか異様に疲労感が強かったです。睡眠も最低ラインの5時間半は確保していましたし、前日前々日についてもさしたる活動をしたわけではありません。朝のタクシーもそうでしょうが、結局は疲労が蓄積しているのかもしれません。こうも毎日活動を続けるというのは日本ではしたことがありませんし、これから社会へ出たときにどうするのか、という叱責は理解しているつもりです。

*1:もちろん食料品の買い出しくらいには行くわけですが、歩いて15分の距離にモールがあるというのも考えものです。もっと遠ければ足を伸ばすきっかけくらいにはなりそうなものなのに……。

*2:参照滞在132日目:出張ふろしきレッスン

*3:多くの場合、日本人はフィリピンに来るとモテます。ありがたいことに僕もその例外ではありませんでして、この間ここに来たときには生徒に「鼻がカッコいいですね」と言われました。そんなことを言われたのは人生で初めてのことでしたが、それより感心したのは、その褒め言葉をタガログ語で理解できたということです。文をつくるのはまだむつかしいですが、聞いて分かるということでいうとかなり進歩したのではないかと思います。

*4:フィリピンではタクシーが相当安いので、ちょっとした距離でも気軽に使えてしまいます。初乗りは40ペソ。100円くらいです。調べましたらメーターは300メートルで3.5ペソとのこと。何人かで乗れば下手にジプニーで乗るより安いですし、安全な面もあります。

*5:「17日」は「じゅうしちにち」と読むのが通例だと思いますが、強調するため、あるいは間違いを避けるために「じゅうななにち」と読まれることもあります。他方、基本は基本として覚えさせなくてはいけない、というのが心苦しくも使命感にあふれる部分だと言えるかもしれません。