日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間の活動を経験。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

後進を求めて

 先日少し書きましたが、某大学*1でフィリピン語を勉強している学生に向けて、日本語パートナーズの体験を語る機会をいただきました。人前で話すというのは、考えてみると実に半年ぶりくらいのことですから、ド緊張というか何をどうしてよいやらという感じで準備を進めてきました。

 スライドを作る時間をうまく確保できず、前々日からスパートをかけようとしたところ、突如としてFirefoxが起動しなくなったりして冷や汗ものでした*2が、当日の明け方にようやく完成。いつもながら〆切ギリギリで本番に必要な体力が心配でしたが、どうやら僕もまだ若者に分類されるらしく、なんとか耐えることができました。

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 ご依頼として事前に言われたのは「フィリピンの”リアル”を話してほしい」ということでした。まあ確かに、曲がりなりにも9ヶ月間をフィリピンで過ごしてきたわけですから、ほとんどの場合、学生より僕らのほうが実情には詳しいことになりましょう。

 ところが発表者4人に与えられた時間は各10分。残念ながら、あれもこれもとダラダラ話す余暇はありません。考えあぐねた挙句、フィリピンにおけるパートナー活動を、僕が如何にして楽しんだか、という風に少し捻ったかたちでお題に答えることにしました。

 

 で、当日の集合は夕方。軽く打ち合わせをしてから会場に向かいますと、これがけっこう広い教室。想定内ではありましたが、もしかしたら50人規模の小教室で小ぢんまりとやるのでは、なんて安易な考えは吹き飛びました。

 開始時刻になりますと、おそらく直前まで授業があったであろう学生さん方がなだれ込んできました。ちょっと圧倒され気味だったものの、教室に見合うだけの人数だった点は幸いでした。

 

 会は先生の司会のもと行われましたが、流れとしては、まずアイスブレイクというかワークショップとして、フィリピンと日本の印象、それから日本人として世界に伝えられると思うことは何かを書き出させます。続いて僕らパートナーズOB・OGが経験を話し、終了後に再度、同じ質問をするというような感じでした。要するに、自国と相手国について抱いていたイメージが、体験談を聞くことによって具体的な像を結ぶ、あるいはイメージ自体が大きく変わる、ということを期待しているわけですが、単純なようで、案外それを明示的な形で残す試みは新鮮かもしれません。

 

 で、まあそれぞれの発表ですが、4名が四者四様の切り口で体験を語れたので、聞く側からすれば飽きにくかったかなとは思います。偶然とはいえ、2期生1名に3期生3名、高校派遣2名に大学派遣2名と、パートナーズとしてもいろんな人が話せたというのもよかったのではないでしょうか。

 人前で話すとき、僕はどうしてもTEDのように朗々と喋ることができず、半ばつぶやきのような訥々としたやり方になってしまいますので、それがゆえに発表の類を忌避している始末です。今回もその例外ではなく、聞きにくい個所も少なからずあったことでしょうが、パートナーズの魅力を伝えるという意味では、それなりのものを示すことができたのではないかと思います。

 そもそも「日本語パートナーズ」とはなんぞや、というコンセプトに近いところはあまり尺を割きませんでしたので、そのあたりが不明瞭なまま発表を聞いていた学生も結構いたようですが、これをもとに興味を持って、説明会にでも足を運んでくれたら幸甚と思います。

 

 終了後は、先生方や学生の有志と連れ立って、近くのお店でおいしいピザを食べました。大学生とこういう場面で話ができるのは僕にとっても貴重な機会で、殊やはり名門校に在籍しているだけあって、国際的な視野、日本を変えようとする意識の高さ*3には目を瞠るものがありました。こういう人たちこそ、パートナーズに来てくれたらなぁと思う次第です。

 

 ところで当日の朝、ひさびさに髪を切りました。2月にフィリピンで切って以来なので、はち切れんばかりのアフロになっていたところ、「さすがに日本でそれはどうなのよ」と同期のパートナーにお叱りをいただいたので、直前に慌てて丸めました*4。ただし、時期はもう少し考えるべきでした。室内にいても頭が寒いのはどうにも耐えられません。

*1:別に明かしても問題なかろうとは思いますが、許可を取っていないので伏せました。まあ、外国語を勉強する大学といって名前を挙げれば間違いなく上のほうに来る、くらいの説明だけしておきます。

*2:これは再インストールすることで事なきを得ました。一旦アンインストールしてもブックマーク等のデータは残るのは不幸中の幸いといいましょうか。いろいろ使った結果、ブラウザではFirefoxが一番好みだという結論に至りました。

*3:いわゆる「意識高い系」は個人的に嫌いなのですが、彼らのように確かな知識を持ったうえでの行動力は否定するべくもありません。僕の周りにも、「とりあえず自分がこう思うからこれをやる!」と言わんばかりの態度で、行動に正確な分析が伴っていない同級生がいました。もしかしたら「意識高い系」の意味をはき違えているかもしれませんが……。

*4:JFの広報の方にも、僕の非凡なる髪型は認知されていたようなのですが、聞いた話では「髪型に関係なく、中身を見る選考であることを示せるからあれはあれでいいかも」と諦められているそうです。となれば、今回のも徒労だったかもしれませんね。