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日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間派遣予定。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在266日目(最終日):白い光の中に

 ご無沙汰いたしております。

 1ヶ月も更新が滞っているのには、もちろん個人的な気質としての怠惰も関係しているのですが、怒涛のように押し寄せるイベント群に、なすすべなく困憊を余儀なくされてしまったためでもあります。

 で、この日付の記事を無事投稿しているということは、フィリピン3期のパートナーズ10名が、全員そろって帰国したことを意味しています。

(途絶えた最後の1ヶ月の記事は、誓ってアップロードしていきます。リアルタイムでなければ読む方も減ることでしょうが、このポートフォリオを完成させないことには僕は次のステップを踏む資格がないものと考えています)

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 出発の朝は6時集合でした。マカティの某ホテルに2晩滞在した我々は、そこからバスに乗り込み、空港へと向かいます。

 空港自体はみんな久々というわけでもなく、寧ろ日本で過ごすよりも頻繁に飛行機を利用してきましたので、慣れた手つきで預け荷物等の手続きを終えていきます。

 僕はというと、実は23kg×2つという規定量を大幅に超えていました。ホテルの部屋に体重計があったのを幸いに、試行錯誤を繰り返したのですがどうにも減量はかなわず、おおよそ25kgと30kgとなってしまったのです。「JALだから多少は多めに見てくれるよ」とお姉さま方はおっしゃっていましたが、25はともかくとして30は「多少」のラインを明らかに越えています。結局のところ、30kgのほうに超過料金の60ドル(3020ペソ)を支払って事なきを得ました。

 

 ある程度は予想していたことでしたが、税関を通った後のいわゆる免税ショップには豊富におみやげがそろっていました。むろんスーパーとか産地で買ったほうが安いというものもありますが、「おみやげよう」の品ぞろえということで可愛らしいものもたくさんありました。貝殻でできたスプーンとか、お札の模様をあしらった財布とか、Goldilocksのポルボロンとか、いい香りのついたサニタイザーとか、観光客の心をつかむラインナップと言えます。

 従ってここで示すことのできる教訓は、「買いそびれを病むことはない」ということです。

 

 で、飛行機です。滞在中にはセブとCDOとで2往復、都合4回乗りましたが、年々苦手になっていくような気がしています。

 例えば機内食。別段グルメではない僕にとって、給食の如き機内食は非常にうれしいものだったのですが、フィリピンに来る際の機内で初めて食べ残してしまいました。バスやボートのようにどうしようもない乗り物酔いというわけではなく、なんだか食欲が皆無だったのです。これは帰りの飛行機でも同じく、そこそこバランスも整った料理を、僕は半分くらいしか食べられませんでした(あまりに癪だったのでハーゲンダッツは無理やりに食べましたが)。

 僕の中で何が変わったのでしょう。あるいは「僕は飛行機が嫌いだ」と思い続けることそれ自体が、嫌う心をより強めているのかもしれません……。

 

 ただし、映画を楽しむ余裕は辛うじて持つことができました。今はほとんどの国際線で映画を観ることができ、多くの場合新作も選択肢に含まれていますから、なんとなく観ないと損をした気分になってしまいます。要するに貧乏性です。

 今回観たのは『LA LA LAND』です。日本の情勢は分かりませんが、よくもわるくも話題になっているそうですね。言うまでもなくミュージカル映画ですが、キャプションの入れ方とか演出の方法とかは、50年代に隆盛を迎えた(と僕が思っている所の)名作ミュージカル映画に見られる雰囲気そのままでした。それは開始早々に感じられたことでしたので、「ああ、これは『ミュージカル』というジャンルのオマージュなのだな」という、ややうがった態度で鑑賞していました。

 ストーリー自体は割にありふれたものだと思います。要するに男女が恋をしていざこざがあってすれ違って……というもので、やや起伏が乏しいかもしれませんが、気になるほどではありません。大団円の運びは目を見張るものがあったというくらいでしょうか。また時代設定はいちおう現代らしいのですが、それを感じさせないような作りになっているのが面白いと思います。スマホやパソコンも登場こそすれ、なりを潜めているというか、存在感がほとんどないというのが特徴でした。このあたりが古典的ミュージカル映画を感じさせる要因なのでしょう。

 ミュージカルですので、音楽は実に素晴らしいです。ジャズが作品全体にちりばめられ、気分の高揚や消沈がそれを通じても語り掛けてくるのでした。僕はジャズについて全くの無知ですが、もっと色々な音楽を聴きたいとつくづく思いました。

 機内で観た範囲で残念だったのは、字幕の雑さです。もちろん話が理解できないほどでは決してないのですが、ところどころ訳に抜けがあったり(ダブルクォーテーションで括った中身が空のままとか)、言葉が分かりにくかったりという箇所も散見されました。まあしかし、作品の程度を落とすほどではありませんね。

 

 そんなこんなで手に汗握りながら、僕たちは午後4時ごろ日本に降り立ちました。

 成田に到着すると、すぐ旅行会社の方に公用旅券を預け、任務終了というわけです。遠方から来たパートナーズの中には、このあとすぐに国内線に乗り換えなければならない方もいて、バタバタと解散してしまいました。

 実は4月の中盤には新宿での報告会がありますので、まだ今生の別れを惜しむことはないわけです。とはいっても、これまでみんなで過ごしてきた日々を思えば、あっという間でかけがえのない時間だったなぁと感慨にひたるわけです。

 

 ところで、日本に帰って来て一番「ズレ」を感じたのは、雑音に対しての姿勢です。帰りのバスの中で、幼稚園生くらいの子どもたちがでかい声で話をしていたのですが、それが耳について仕方なかったのです。公共の場でうるさいことについて、僕はふだん思うところがないのですが、この時ばかりはどうしようもなく不快でした。おそらくですが、雑踏に聞こえるのがフィリピノ語であるという環境になれたために、日本語が聞こえるとすかさず「聞き取ってしまう」ようになったためではないでしょうか。

 いずれにしても、都内の混雑したエリアに行くのはもう少し待ったほうがよさそうです。

 

 パートナーズを終えての感想、およびこれまでに書けていない記事については、これからちまちまと上げていきますので、よければご覧ください。いちおう、このブログは4月の報告会を目処に更新をやめるつもりでいますが、これはまだ少し先の話です。