日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間の活動を経験。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

日本の話

思い出す事など②

大晦日から元旦に向けて、僕と数名のパートナーズは、マニラ首都圏の高校で日本語を教えている先生のお宅にお邪魔し、フィリピンの年越しを体験させていただきました。 その先生は大変気さくで且つ恐ろしくテンションの高いおばさまで、普段から仲良くさせて…

滞在247日目:そもそも漢字とは何か

お察しの通り、これ以降の記事は、「滞在266日目(最終日):白い光の中に」を除いて全部帰国後にものした日誌となります。従って内容は記憶によるところも多いわけですが、反面、快適な参照資料に恵まれていますので、新たな知見を挟み込みやすいという意味…

滞在240日目:明かりをつけましょ

毎週の文化紹介というのはもちろん経験としてありがたいことで、場数を踏まないことには気づきえないあれこれを学ぶことができています。幸か不幸か、求められるのはたいてい季節行事とか時候にあったものですので、よく言えば悩まずに済み、悪く言えば自分…

滞在231日目:節分大会②「露とこたへて」

恵方巻の後の豆まきセッションですが、正直こっちはそんなにやることがなく、どちらかというと1時間半もたせるようなプランに苦戦した印象です。そもそも教室で豆を撒くわけにいきませんので、会場の問題もけっこう大きかったと言えます。

滞在231日目:節分大会①「北北西に寿司を向けよ」

UPの言語学科では、僕のために大きな文化紹介の枠をご用意いただいています。これまでにやったところで言いますと、「かるた」「書道」がそれに当たります。本当は月イチくらいで実施したいところですが、どうにも暦や予定の関係でこの程度しかできず残念で…

滞在224日目:「何チョコですか?」

世間はバレンタインデーです。僕としてはこれといって思い入れのある日ではなく、かといって漫画でよくあるようにねたむような気持ちも毛頭ありません。ようするに、この日については「市井の人がなにやらにぎわう日」という鳥瞰的な認識を持っているのみな…

滞在210日目:挑戦的新学期③「流行語大賞候補語について」

発音記号に悩まされた後は、ちょっとしたレポートがありました。日本事情を学ぶクラスでの発表でして、お題は「流行語大賞」。前にも書いたと思いますが、ひとり2語を担当してそれについて調べてくるというものです。幸か不幸か僕にも配当がありまして、やる…

滞在205日目:参拝と新年の抱負

新学期でクラスの編成は変わりましたが、驚くべきことに(あるいはさるべくして)先生ごとのクラスの雰囲気はみじんも変わっていないように見受けられます。盛り上げるのがうまい先生はどこでも健在ですし、大人しい感じの先生ならばどうあれ大人しいクラス…

滞在202日目:カガヤンひとり旅④「去り際もおいしく」

早くもCDOでの休暇(?)は最終日となり、この日はCDOのパートナーズが教えている専門学校にお邪魔することにしました。 「教えている」なんて軽く書きましたが、実はけっこうすごいことで、これはなんと彼女が自分で見つけた活動場所なのです。元来CDOで「…

滞在200日目:カガヤンひとり旅②「果物を包んでは野菜に舌を喜ばす」

お手伝いすることになった大学のクラスは午後からでしたので、CDOのパートナーズとタイ料理のレストランで昼食をとり、少し準備をしてから授業に臨みました。準備と言いますのは、この日の学生にはふろしきを持っていない人がいる可能性もありましたので、間…

滞在189日目:文字の導入など

なんにしてもUPの授業は始まっていないので、これを好機と他の学校へ遊びに行くことにしました。今日は、以前ふろしきの出張レッスンを行った高校*1で書道の体験をするということでしたので、微力ながらお手伝いに行くことにしました。 *1:参照滞在132日目:…

滞在185日目:福笑いに年賀状に

年も明けまして、ようよう学校も始まりだしています。ベトナムなど旧正月を採用している国では「年明け」はさして大きなイベントではないそうですし、フィリピンにおきましてもクリスマスほど騒ぎになっているわけでもありません。日本人として驚くべきこと…

滞在179日目:年末のマニラ観光②「戦争の爪痕を見る」

朝の集合は7時。今日はマニラ湾からフェリーに乗り、かつてアメリカ軍および日本軍が基地を構えたことで知られるコレヒドール島へ、パートナーズ4名でお勉強に行きました。事前にきちんと予習しておこうと思いながら、気力と資料との不足によって無知なまま…

滞在164日目:カルガモ的セブ観光③「日本の姿」

さて学会も2日目。この日の発表にはもう、純粋な日本語学とか日本語教育とかの発表はなく、どちらかというと日本研究とか日本でどんな研究がなされているかという報告が主となっていました。 諸事情あって最後まで入られなかったのですが、難しくも興味深い…

滞在163日目:カルガモ的セブ観光②「研究の士気」

学会の初日は大寝坊から始まりました。7:15に集合してみんなで行く予定が、起きたらその時間だったのです。ひとまず先生には先に行っていただき、後から追いかけました。開会は8時なのでギリギリという感じです。 まず受付をしますと、パンフレットを頂きま…

滞在150日目:国際的な意識を持つ

昨日終了したフィリピノ語のクラスですが、クラスメイトにはいろいろな国籍の学生がいました。一番多いのは日本でして、韓国、ベトナム、インドネシア、ドイツ、ニュージーランド、アメリカとてんでばらばらです。僕は学生ではありませんから、ちょっと距離…

滞在149日目:心身をすり減らす①「忘年会的な」

12月になりまして、UPでの学期も終わりを迎えようとしています。それに際して期末のオーラルテストやらを手伝うこともあるわけですが、今日のある授業ではFinal Presentationと題した発表会が催されまして、僕たち日本人も何か出し物をと言われていました。…

滞在139日目:高校の授業を目の当たりにする

UPでの活動は基本的に週4日です。授業としては割合詰まっているほうだと思いますが、日曜日は休みで土曜日と月曜日についても行かなくてよいというのは、精神的にかなりありがたいものです。とはいっても、うちにいたってすることはありませんし、ひとりでど…

滞在136日目:群衆を前に①「書道体験会」

学生たちの要望としては「日本の食べ物」の発表を望む声が多いとは知りつつも、準備とか時期とかの関係からちょっと先送り*1としまして、今回は毛筆を使った「書道」のワークショップを実施することとしました。なんでこれにしたかというと、先生から「墨絵…

滞在132日目:出張ふろしきレッスン

マニラ首都圏と呼ばれる、いわばフィリピンの中の「都会」*1にはパートナーズが4名派遣されています。僕を含めたこの4人はそういうわけで近くに住んでいますので、2週に1度くらいはなんとなく顔を合わせるのが慣習みたいな感じです。もちろんセブやダバオと…

滞在129日目:怠けた脚を酷使する②「嵐に巻き込まれる」

すでに脚がうめき声をあげる中、一行はJFM恒例のイベント「おしゃべりサロン*1」へ向かいました。 いままでこれについての記事を書いた覚えがないのですが、実は隔月で催されています。趣旨としては日本に興味を持っている人向けに日本文化を紹介するという…

滞在129日目:怠けた脚を酷使する①「初の高校訪問」

考えてみますと、こちらに来てからの仕事はほとんど座ったまますることが多かったようです。言語学科にいるときはもちろんデスクワークですし、授業の見学をしている時だって立ちっぱなしというわけではありません。これまであまり意識してきませんでしたけ…

滞在114日目:わが身ひとつの秋にはあらねど

軽い気持ちで「カルタなんか面白いかも」と発言したら、学科のFBで大々的に宣伝されてしまいました。たくさんの人に来てほしい、日本について知ってほしいというのはもちろんそうなのですが、その広告に見合うだけの準備ができたかときかれると自信がないわ…

滞在112日目:かるたを目前におりがみ

このブログとかTwitterとかいったメディアについて、僕は匿名で参加しています。本名を伏せる意味もそんなに思い当たらないわけですが、メディアの性質としてあまり一般人が顔を出してやるものではないように感じる次第です。小学校で「ネチケット*1」を叩き…

滞在108日目:Trick or Treat

10月も終わるわけですが、この時期は「日本文化」として紹介できる行事がなく、文化紹介を依頼されても答えに詰まるというのが正直なところです。それならば、と逆に考えて、フィリピンを含む世界各地で楽しまれている行事が、日本ではどのように享受されて…

滞在98日目:脳の煮え立ちそうな日①「折り紙に挑戦」

「忙しいのは別に構わないけど、せめて予定をずらしてくれないか!」そう神に叫んだところでどうにもなりませんので、おとなしく取り組むこととしました。 今日は発表が2種3コマ、それからフィリピノ語のテストがありました。コマ数としては前回ヒイヒイ言っ…

滞在93日目:使い回しの歌

企画は本来弾数を準備しておくべきだったのですが、僕の怠惰な性分からストックが全くありません。従って文化紹介の枠をご提供いただくたび、別のクラスですでにやったネタを流用することになっています。 今日は先日やった「子どもの歌・秋の歌」*1を2コマ…

滞在79日目:あるバタついた1日②「ふろしきと芸者と」

ふろしきのプレゼンはすでに3度をこなしていますので、それなりに流れもつかめてきました。やるたびに「ここはこうしたほうがいいな」「こういう情報も盛り込もう」などとアップデートを重ねています。自信こそ常にありませんが、最新が最高になるべく努力は…

滞在79日目:あるバタついた1日①「きつねはどう鳴くか」

忙しいといったって、あくまで僕の立場はアシスタントなのですから底が知れています。いくら週当たりのコマが多いからといっても、授業を丸々構成しなくてはいけない先生方のご苦労を考えれば、僕の手間など何もしていないようなものです。 よくよく考えます…

桑原功次『ハローキティの英語で紹介する日本』

スーツケースを開けたら予想以上に本が入っていた(入れたのを忘れていた本が多かった)という話はしましたが、その後改めて漁ったところまた1冊発掘されました。しかも出発のかなり直前になって買った本なのに、購入した事実を忘れていたものでした。もちろ…