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日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間派遣予定。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在237日目:断髪式

 恥ずかしい話*1、フィリピンに到着してからの8ヶ月間、僕は一切の散髪をしてきませんでした。これは別に「フィリピンの床屋なんぞ信じられるか!」という偏見があるわけでもなくて、たとい日本にいようとも年に1回か、よくて2-3回しか散髪をしないのです。いざ切るとなったらバリカンで坊主頭に仕立てるのが常ですが、そこから1年ばかりの間は伸びるがままにしておき、進退窮まるくらいに貯まったらまた切る、というサイクルでこの3-4年を生きてきました。

 で、伸ばした結果がどうなるかというのはFacebookをご覧いただければ明瞭なのですが、人によってはアフロと形容するくらいの頭*2になってしまうのです。こんな頭に出来るのは偏にオシャレに無頓着なためなのですが、それにしたってフィリピンでは暑いですし、社会に出た経験を持つお姉さま方からは「社会人として看過できぬだらしなさ!」とお叱りを頂き続けてきました。

 というわけで意を決して、散髪に行ってきたという話です。

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(画像は、フィリピン人の友達が「chihariroさんの生き別れの兄弟を見つけました!」といって送ってきたものです。さすがにこんな見事なアフロではありません、念のため)

 

 ほかの方(つまりマトモなペースで髪を切る人たち)がどうなのかはよくわかりませんが、フィリピンの普通の床屋に行けば100円くらいでカットをしてくれます。もちろん都会のナウなヤング向けのサロンに行けばもっと高いお店もありましょうが、僕がそんな高尚なものを臨むはずもなく、そこらの適当な店で済ませるつもりでいました。

 そんな風に考えているところで、近隣のパートナーとその先生から美容師をご紹介いただきました。聞けばその人の頭(顔)の形に合った髪型を考えてくれるとかいうことで、まあ短ければなんだっていのですが、特別アテがあるでもなかったのでそのお店へ行くことにしました。

 

 「オカマがやってるお店」とは聞き及んでいましたが、店に入ると少なくとも2名のオカマ美容師が控えていました。椅子に座るやいなやカタログ(韓国人のイケメン満載)を見せられ「どんなのがお好み?」と聞かれるのですが、ふだん丸刈りの人間にとってはどれもこれも違いの分からない有様で、「セットに時間のかからない感じでお願いします」と頼むのがやっとでした。

 伐採中、担当でないほうのオカマがいろいろと話しかけてきます。「あなたどこからいらしたの?」「日本のどこ? ……東京! シティーボーイじゃない!」という具合に賑やかでした。

 この美容室に来るにあたって、ご紹介くださったパートナーと先生とがついてきてくださったのですが、何のためかというと散髪の模様を写真に収めるためでした。といいますのも、僕の通称アフロは方々で話題になっていまして、いつしかこのヘアスタイルは僕のアイデンティティとして顕著なものになってしまっていたのです。それを無情にも切り落とすというのはある種一大イベントですから、この好機を逃すまいと写真を撮りまくってくださったわけです*3

 

 大人しく座っていること実に50分。広がっていた頭はずいぶんと軽くなり、しかし自分としてはさして顔つきが変わったとも感じられず、結局ほぼいつもどおり坊主頭に戻ったのでした。

 足元には切った毛がもこもこと散らばっていて、オカマ曰く「これ集めたら1kgはあるわよ」ということでしたが、さすがにそんな重さだったら首が変になります。

 

 料金を聞いたところやっぱり100円くらいでした。さすがにそれではと思ったので、150円くらい渡しておきましたが、しかし賃金の安い国です。最後にオカマ2人と記念撮影をして終了となりました。

 

 トレードマークのアフロがなくなり、僕を絵に起こす際にもっとも目立つ特徴が消え失せてしまいました。これまで何度かマスコットとして描かれることがありましたが、アフロがなくなったらどうなってしまうのでしょう。

 あるいは、もう絵に描かれる機会がそもそも残っていないのかもしれません。寂しいですね。

*1:大嘘です。ほんとうは恥ずかしいなんて微塵も思っていません。少しでも羞恥心があれば、何かしらこだわりの髪型にキープする努力をするはずですから。

*2:僕としては前髪が垂れるのが嫌なので「オールバック」をイメージしたつもりだったのですが、いわゆる天然パーマなのとボリュームとによって四方に伸び広がるスタイルになるというわけです。

*3:もちろん写真はすぐさまFacebookにアップロードされます。これまで僕は、いろいろな情報とか個人的なお知らせを投稿してきましたが、哀しいことに今回の「髪を切りました」というポストが、自分で発信したものの中では最多いいねを獲得しました。