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日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間派遣予定。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在235日目:ニッポンへ行きたいか!

IN THE PHILIPPINES フィリピン事情

 他の国でどうなのかわかりませんが、フィリピンでは毎年「日本語フィエスタ」なるイベントが催されます。その中で恐らく一番盛り上がるのは「クイズビー」という、日本語に興味を持つ高校生がその知識を競うもので、今日マニラで開催されたのは、各地の予選を勝ち上がった猛者たちが集まる「決勝戦」でした。

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 実はUPで活動する中で以前、予選に使われるクイズの校正をしたことがありました。日本語に関する問題、伝統的な日本文化に関わる問題、現在の情勢に関わる問題と、出題は多岐にわたり、情けないことに日本人の僕は15問ほどある中で2問間違えてしまいました。僕が不勉強だというのもあるにせよ、それだけカッチリした問題があるというのは驚くべきことでした。

 予選でそんな有様ですから、本戦はさぞかし、という心持で僕は会場に行ったわけです。なお他のパートナーズについては、自分の派遣校が来ているという方もいましたので、遠方から駆けつけて熱烈な応援をしていました。

 

 で、本戦です。

 出題をばらすわけにはいかないのが残念ですが、正直言って1問目からすでにわかりませんでした。予選にあったような「Good morningにあたる日本語はどれ」という平和な出題は皆無で、どちらかというと日本のナウな話題が中心となっていました。近々放送されるアニメとか、日本の流行りとか、フィリピンで得にくくなった情報であるにもかかわらず、生徒たちはまずまずの割合で正解していきます。

 ただし、答え方というかクイズの形式としてはちょっと配慮の足らない部分もあって、一回戦は正解と思うゾーンに解答者が走るという、「ウルトラクイズ*1」の予選と同様のやり方でした。そうなると、真っ先に移動を始めた組は正解を知っている確率が高いわけですから、それに続けばお零れに与りやすく、「必勝法」が存在してしまうということです。

 とはいえ最終的には個々のグループ(各学校から2名ずつのペア)の判断に依るわけですから、まずまず順当な形で順位は決まっていったと思います。

 

 確か3回戦くらいまであって、大会が進むごとに白熱の様相を呈していきます。一番アツい展開だったのは、敗者復活(ワイルドカード)で勝ち進んだボホールの学校が、決勝戦の一騎打ちまで残ったことでした。

 ところで、今大会に際して、高校に派遣されているパートナーズは生徒にあまり力を貸さないようにお達しが来ていました。日本語パートナーズがいる学校といない学校とで差を作らないためです。まあ、正直言ってこの通達は本末転倒だと思うのです*2がそれはさえおくとして、今回頑張ったボホールの学校、及び優勝した学校は共にパートナーズの派遣がないところでした。従って彼らの健闘は、純粋な日本への興味や日頃の学習が実を結んだものであり、すなわち日本がほんとうに好きな生徒と考えられるわけですから、その意味でも感動しました。

 この盛り上がりは、僕が赴任しているUP、つまりは大学からは一線を画したものなわけですが、よく考えればこの生徒たちのなかにはいずれ大学に通う子たちもいるわけで、そうなるとこの国での日本語教育の未来は明るいのだなぁと思います。

*1:僕の世代は「高校生クイズ」の方が馴染み深いですが、「知力・体力・時の運」が試される趣向はこのクイズ大会に通ずるものがあるように感じます。なお、「高校生クイズ」は行き過ぎた傾向(「宇宙の広さを求めよ」のように突飛な出題)が近年是正されましたが、以前の異常な難度の方が見ごたえがあって好きでした。大会として正しいあり方かどうかはともかく。

*2:パートナーズの使命のひとつとして「日本を伝える」というのがありますが、このクイズ大会も日本に興味を持っている生徒に対してそれを奨励するものであることは間違いないでしょう。とすれば両者の利益というか目的は同じなわけですから、指導してはいけない=好機にもかかわらず知識を伝達してはいけないというのもちょっと妙です。不公平というのももちろんわかりますけど、その程度の不公平ならどこにでも転がっています。