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日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間派遣予定。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在201日目:カガヤンひとり旅③「縁をたどる」

IN THE PHILIPPINES フィリピン事情

 安さを追求した結果として簡易的な部屋の滞在となりましたが、テレビがあるのはやっぱりにぎやかでよいですね*1。少し前までならwifiなしの生活など考えられませんでしたけれど、最近は早寝(21時!)を心掛けているのでそこまで欲しないようになりました。

 贔屓の番組だとディズニーの「フィニアスとファーブ」が挙げられますけれど、放送時間が遅いので落ち着いてみられないのは残念です。もっというと、1日とか2日にわたって、同じエピソードを回し続けるというのも慣れないとうんざりしてしまいます。見逃しが少なくなって好いと言えば好いのですが。

 それはそれとして、今日はCDOにお住いのフィリピン人ご夫妻のお宅に邪魔してきました。長く日本に住んでいらしたそうで、CDOパートナーをはさんでのご縁でお会いすることとなりました。

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 予め聞いていた情報は、①年の頃は中年であること②日本語がうまいということ、という2点ばかりでした。

 ここで微妙なのが「日本語がうまい(あるいは「できる」)」というラベリングで、どの習得度を以て「うまい(できる)」とするのかは判断が難しいところだと思います。もちろん場面とか学習の程度にもよって評価の仕方は変わりますし、いろいろなスキルを総括して語るのも容易ではありません。僕の場合、真剣に勉強をしている環境であれば、N5を取得してN4に届くかどうかというレベルをして「できる」と言い、N2くらいで「うまい」と言うように思います*2

 

 まあCDOのパートナーが言うのだからそこそこのレベルだろうと思って会ってみますと、果たして英語をはさむ必要のないくらいに話せる方でした。聞けば日本の田舎に数年住んで働いていたとのこと。となれば当然とも言えますね。

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(庭には闘鶏用の鶏が歩き回っていました)

 

 お昼をごちそういただくということでしたが、さすがに座っているだけというのも気が引けたので、春巻きを巻くのを手伝いました。フィリピンには生春巻きもありますが、今回のは日本でも馴染み深い揚げ春巻きでした。他にもPancitやAdoboといったフィリピンの家庭料理がずらりと並び、どれも大変美味なのでした(写真を撮りそびれてしまったのは無念です)。

 食べながら、延々とおしゃべりをしましたが、これも全部日本語というのが大したものです。

 ところでこの日は、CDOに語学留学をしている高校生が一緒に来ていました。マニラとかの都会ならまだしも、日本人にとってなじみのなく、また生活が全く便利とも言えない街での生活は、若い身にとってしてみればなかなか大変なことでしょう。個人的には、フィリピンで英語を勉強するということに思うところは多少あります*3が、彼女(そう、女性というのがまたすごい)が懸命に頑張っているのは見習わなくてはと思います。

 ご夫婦による、日本の極めてローカルなお話も大変面白く拝聴しましたが、いちばん印象に残っているのは、お二人が日本に対して多大な感謝をしているということでした。お住まいになっている邸宅も、豪邸とは言いませんが普通の一戸建てで、日本で得た賃金から購ったそうです。どうあれお二人が働いて得たお金ですから、日本に感謝、というのもちょっと行き過ぎな気もしますけれど、ともかく日本が大好きというのは嬉しいものです。

 そう言ってくださっているのも、田舎の温かい人情に触れたためでしょう。気軽に「外人さん*4」と声をかけては野菜を分け、冗談を交わしながら一緒に働くという環境は、都会ではなかなか望むべくもないと思います。そういう意味では僕としてもよっぽど羨ましいです。

 

 ところでこのご夫妻、日本に暮らしただけあって、言葉のみならず細かい文化についてもかなり明るいのでした。印象的だったのは、話にのぼったおばあちゃん2名の組をして「きんさんぎんさん*5みたいな感じ!」と例えたことでした。日本語を勉強しているだけでは身につかない知識ですが、円滑な会話を求めたら必要なところですね。

 まあ、個人的にもっと衝撃だったのは、同席の高校生が「誰ですか、それ」と言い放ったことでした。なるほど、確かに全く知らなくても不思議はない世代です。

 

 とにかくもてなして頂いて、心底CDOに来てよかったです。マニラやセブはともかく、特別大きな観光地もないCDOの再訪は一生ないだろうと思っていたのですが、このご夫妻にご挨拶に伺うためだけにでも来ていいかなという気がしています。現地に知り合いがいるのといないのとでは、訪問のモチベーションにおいて0と1くらいの差が開きます。あまり「縁」とか「出会い」とかそういう変に小ぎれいな言葉は好きじゃないのですが、海外に出ることの一番の魅力はそういうところにあると思います。

 

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*1:いちおう部屋にテレビはあるのですが、ケーブルがないので特に面白い番組も見られず、ましてアンテナの代わりに針金を指している状態なので画質がひどく、全く見ていません。

*2:もちろん大学やなんかで勉強しているわけでもないのに「そこそこの表現を知っている」のは話が別です。たとえ文法が甘くても、タクシードライバーが「お客さん、どこ(行く)?」とか言ってきたら、それは「できる」と言ってあげてもよいと思います。逆に、今まさに学習しているというのであれば、習った項目についてError(Mistakeではない)が残っているのを「できる」というのは不適切でしょう。

*3:多くは書きませんが、留学する大きなメリットである「周りが英語を話している環境」というのが、フィリピンでどれだけ確保できるかというのが悩みどころです。

*4:前にも書きましたが、僕はこの表現を(たとい「さん」がなかったとしても)問題視していません。「外人」と言われて怒る外国人にあったことがないというのも大きいですし、以前書きましたように、差別的な語気を含んでいなければ、言葉自体に憚る要素は見当たらないと思います。

*5:言うまでもなく、90年代にお茶の間で親しまれたご長寿の双子ですね。きんさんが先に亡くなった記憶はあったのですが、ぎんさんがその後1年以上存命でいらしたことは覚えていませんでした。当時僕は6才とか7才とかでしたが、それでも知っているくらいに広く愛されていたお二人だと思います。余談ですが、ぎんさんには5人の娘がいて、夭折した1人を除いてはまだお元気でいらっしゃるというのが驚きです。なんと長女はすでに100才越え。やはり遺伝もあるのでしょうか。