日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間の活動を経験。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在166日目:ドラクエ的ボホール観光②「われは陸の子」

 さて、ボホールも2日目。素敵なホテルでの目覚めとは言え、朝6時出発というのはなかなかにきついものがあります。ところで今回の旅程について、僕は一切ノータッチでくっついてきました。ここまで記事にしました「観光シリーズ」はどれも僕が自主的に行ったものではなく、バーターというかおこぼれに与ったものですが、今回は特に顕著といえそうです。

 出発は宿泊施設のプライベートビーチから。4人で小さなモーターボートを貸し切って沖に出ました。

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 朝早くに出たのは理由があって、もちろん1日を長く過ごすためというのもそうなのですが、ボホールから別の小島に向かう途中に、運が良ければイルカを見られるというのです。ということで慣れない船の上、波間に目をやっていますと、辛うじて1匹のトビウオがみつけられました。海に出た経験のほとんどない、そしてもちろん生のトビウオなど見たことのなかった僕にとっては、それだけでも十分めっけものだったのですが、残念ながら本丸のイルカを見ることはできませんでした*1。季節によっては数十匹の大群が現れるということですが、この日のように十数基の船がある状態ではどうなのでしょう。

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 到着した小島は、無人島の隅っこに辛うじて小屋がいくつか並んでいるような有様でした。一同はここから更にカヌーに乗って、シュノーケルのスポットへ向かいます。

 さすがに観光客も多く、自然そのままと銘打つほどにきれいな海というわけではありませんが、それでも日本の並程度の海と比べれば段違いです*2。ちょっと驚いたのは、これだけ人間がバシャバシャやっているのに、熱帯魚が悠々と泳いでいることでした。原生的な顔をしていながら、彼らも観光客慣れしているということなのかもしれません。「ニモ」は見つかりませんでしたが、「ドリー」みたいなのはけっこういましたし、その他色とりどりの魚たちを楽しむことができました。一方で、サンゴ礁に落書きがしてあるのを見るにつけて、これは何が楽しくてやっているのだろうと哀しい気分にもなりました。

 で、そうして浮かんでいますと、段々気分が悪くなってきました。早起きのストレス、朝から継続しての船酔い、そして海上独特の胃への負担が重なって、ただ水中を眺めるのもつらいくらいになってきたのです。かといって休める場所といえば船上、却って酔ってしまいますし、もっと悪いことには海の水が冷たく感じられてきてしまいました。仕方なく後半は仰向けに波間を漂ってしのぎましたが、小島に戻るカヌーは非常につらかったです。

 

 少し休んで昼ご飯を食べたのち、今度はまたモーターボートで別の島へ向かいます。Virgin Islandという島で、一面に白い砂が光るだだっ広いところでした。ぽつぽつマングローブも生えてこそいるものの、原始的なその風景は純粋な海の美しさを体現しているようでもありました。

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時間としては干潮時で潮が満ち始めるくらいのものでして、浅瀬に見られるヤドカリやカニ、ヒトデなど、小生物と触れ合うのは癒しのひと時でした。

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 Virginとかいいながら、浜の中腹にはテントが設けられてお土産なんかも売っていましたが、バナナとかヤシの実とか、この島自体にはこれといって関係のないものばかり。少し前にはこうしたものもなかったそうですので、ちょっと観光地としてもどうなのかなぁという感じはします。

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 雨に降られながら元の浜へと戻るころには、くたくたに疲弊しきっていました。昼ご飯を食べ、少し寝てから晩御飯というのんびりしたスケジュールながら、体感的には充足感が強いです。

 昨日もそうでしたが、ここでは実に明瞭に星を見ることができます。時期的にはオリオン座がちょうどよい位置にあって、都会の喧騒を忘れさせてくれます。どうにか写真に収めようとコンデジをいじくるものの、技術的に限界があるとわかり、せめてこの目に焼き付けて帰ろうとハンモックに揺られながら夜を過ごしました。

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*1:もう15年以上前のことですが、家族旅行でグアムに行った時にもドルフィンウォッチングを敢行し、あえなく発見できず帰ってきた覚えがあります。かなり水深のあるところにボートを止め、そこでシュノーケリングをした記憶ですが、考えてみると中々怖いですね。ホオジロザメとかそういう現実的な怖さもそうですが、個人的にはニューネッシーとかクラーケンみたいな、UMA的な恐怖も未だにあったりします。

*2:実のところ、僕は日本の海で泳いだ経験がほとんどありません。3才くらいのときに一度どこかの浜で泳いだということですが、物心ついてからは皆無のはずです。というより泳げるような地域に旅行をしたことがないということもありまして、一度だけ沖縄に行った時も、修学旅行ゆえ海水に足をつけることすら禁止されていました。