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日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間派遣予定。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在165日目:ドラクエ的ボホール観光①「念願の自然を観る」

IN THE PHILIPPINES フィリピン事情

 セブでの学会が終わりまして、今度は近くにあるボホールという島に連れて行っていただくことになりました。ここからは本当に純粋な観光ですので、目いっぱい楽しむのが目標といえましょう。

 ただ朝は早め。5時にホテルを出て、8時のフェリーに乗りました。超夜型の僕ですので、セブに来てからはまともに寝られていません。そんな状態でタクシーと船とを乗り継げば、ぐったりとするのも必然というものです……。

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 フェリーは1時間半ほどでした。さっそく運転手と落ち合いまして、いわゆる観光地的なルートを回っていきます。

 

 まず到着したのは、田んぼの脇に建てられたいかにも観光客を対象とした施設。聞けばここではATVと呼ばれる、4輪のモーターバイクのようなもの*1を運転できるようなのです。

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 4輪と言ってもゴーカートのような華奢な作りではなく、タイヤはダンプカーのようにごついものですので、どんな道でもなんなく走行できるというもの。自然にあふれた、舗装などされていない田舎道を約1時間巡回するプランで一同は出発しました。

 僕は一応普通運転免許をもっていますが、このテのものは触ったことがありません。右手のスウィッチの押し込み加減でアクセルを調整し、左手はブレーキ、とただそれだけの説明でした。初めこそ、存外ききのよすぎるスウィッチに戸惑いましたが、慣れてくるとけっこう快適に動けるようになり、速さとしては時速20-30kmといったところでしょうが、それでも生身で走っていると爽快です。難点を挙げるとするならば、そこら中にある水たまりを回避しきれず、ジーンズが跳ね返りに汚れたことくらいでしょうか*2

 1時間と書きましたが、ただ走っているだけではなく、写真を撮るのによさそうなチェックポイントで先導するガイドのおじさんが止まってくれます。その景色は素晴らしいもので、盛り上がったいくつもの丘(後述するチョコレートヒルズと同様に成り立ったものでしょう)、のどかな田園、小さいながら美しい棚田と、僕が兼て見たいと思っていたフィリピンの田舎風景をぐっとパックにしたようなお得感がありました。

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 で、ガイドのおじさんが実に手慣れている。先生のiPhoneを渡して記念撮影なんかをお願いしますと、もちろんいい感じのスポットも熟知しているのですが、カメラの機能である「パノラマ」とか「スロームービー」とか、うまく使いこなして楽しませてくれるのです。ポーズなんかも、たとえば山をつまんでいるように見える手とか、箒にまたがって飛んでいるモーションとか、実に豊富なご提案を頂きました。さすがにプロといったところでしょうか。

 振動でちょっと手がかゆくなりますが、非常に楽しかったです。

 

 打って変わって次はチョコレートヒルズ。石灰岩の侵食によって形成された、いわゆるカルスト地形*3ですが、これほど山が大きく数の多いものとは思っていませんでした。

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名前のとおり、4月だか5月だがには山が茶色くなるそうですが、この季節ではMatcha Hillsともいうべき色彩です。それにしても絶景。

 

 お次はTarsier、フィリピンメガネザルの保護施設に行きました。面倒なのでターシャという表記にしますが、この生き物は最小級の霊長類としてボホールのシンボル的存在となっています。思い返せば200ペソ札にも描かれていますね。

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 施設は森の一部を区切っているような感じで、聞くところでは9匹のターシャがいるとのこと。ターシャは夜行性で日中はほとんど動かないため、しがみついている場所がほとんど固定されており、そのため僕たちが行った時も、ターシャがいるところには係員が座っていて「そこにいますよ」とばかりの目印になっていました。

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 施設にはこれといった解説はなく、ただフラッシュ撮影や接触、餌付けなどの禁止事項が挙げられているばかりでした。英語版のWikipediaを見ますといくつか興味深い事実が分かりましたのでまとめておきます。

・眼球が眼窩に固定されて動かない代わりに、首が180度回る。

・体の大きさに対する目の大きさは哺乳類中最大。

・イチジクの木に住む精霊のペット。

 →傷つけたら森の精に謝らないと、病気になったりする。

・夜行性で、昼間はほとんど目を閉じている。

 →捕獲された場合、環境が明るすぎると眼にダメージが行く

・フラッシュ撮影、人からの接触などでストレスを受けると、

 自分から物に頭を打ち付ける。頭蓋骨が薄いので結果的に死に至る。

最後の、「ストレスで自殺する」というのは予め先生に伺っていたことですが、改めて記述を読むと壮絶なものを感じます。施設としては保護に取り組んでいるのでしょうが、これが観光地になってしまうと、ターシャたちにとってはより過酷な環境を生むわけで、なかなか難しいところです。写真を見て分かる通り、半分くらいのターシャは日中なのに目を開いていて、たぶん我々がうるさくしているからなのではないかなぁとか思ったりします。

 ともあれ、こうした珍獣と呼ばれる動物を見るの、実はものすごく好きというか興味がありまして*4、ある種念願叶った気持ちがあります。あと観ておきたいのはフィリピンイーグルですかね。ダバオの施設には行けそうにありませんが、UPの近くにもいることに気づきましたので近いうちに行くつもりです。

 

 朝早くに出ただけあって、非常に長く充実した一日でした。むろん先生たちなしでは、こうも濃密なスケジュールなど立てるべくもありませんでしたから、感謝のしようもありません。

 ホテルにつきますと、これまたのどかで心地よい場所でした。いかにもトロピカルといいますか、美しい海に面した広々とした作りです。夜はホテル近くでBBQを食べ、明日の朝もまた早いことに驚くのでした。

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なぞの怪獣・珍獣を追え―動物の驚異 (ジュニアチャンピオンコース)

なぞの怪獣・珍獣を追え―動物の驚異 (ジュニアチャンピオンコース)

 

*1:調べたらATVは「全地形対応車」の略なのですね。またも無知が露呈してしまいました。

*2:プラン申請のときにサインをするのですが、証文には「身体的および精神的な損失は保証しかねます」というような文言がありました。身体的はともかく精神的って? と思っていましたが、衣服が汚れてショック、というのも含まれていたりして。

*3:カルスト台地として、日本では山口県秋吉台が有名ですが、同じカルストでも規模とか様相は全く異なります。そもそもボホール島は全体が大理石(石灰岩由来)で覆われているということなので、やはり特殊な地形ということでしょう。この成り立ちについては、大学時代一般教養の授業で頭に入れたのですが、すっかり抜けてしまいました。我ながら情けない。

*4:別にどうでもよいのですが、僕の珍獣への興味はジュニアチャンピオンコースの『なぞの怪獣・珍獣を追え』に端を発しています。かなり古い本の上に人気もあるため手に入れにくいですが、たかしよいちが執筆陣に入っていたり、子供向けにもかかわらず絶滅動物・絶滅危惧種に関する記述はかなり詳細だったり、読みごたえは充分です。「ひみつシリーズ」あたりも確かまだ刊行されているはずですが、僕らのころよりも読まれていないような感じもします。ああいうのは好奇心を育てる良著だと思うのですが。