日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間の活動を経験。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在149日目:心身をすり減らす②「知識と自覚の不足」

 朝っぱらから踊ったおかげで脚はパンパンですし、何よりそれを早起きの上行ったのだからグロッキーです。もう授業もほとんどありませんでしたのでオフィスで休ませていただきましたが、そうダラダラもしていられず、夕方にはフィリピノ語のオーラルテストがありました。

 内容は特段知らされておらず、ただ「これまでに習った全範囲」から問われるという情報だけを持っていました。

 

 「オーラル」であるからには、口頭で言うに値する内容が問われるわけですから、より実用的で口語的な事柄とは予測できていました。加えて、これまで日本語の試験をいろいろ見てくる中で、オーラルテストに必要な文法は、筆記試験のそれより簡単と推察していました。

 且つ、オーラルの鉄板のひとつである「自己紹介」は、この最初級のクラスでは必然的に問われるだろうと考えました。ですので、どちらかというと文法を頭に詰めなおすというより、知っていることをどうやって口に出せるかという点を想定しながらテスト前の時間を過ごしました。

 

 1分ばかり遅れてクラスに入りますと、珍しく全員そろってすでにテストの隊形になっています*1。普段ならもう少し全体にばらけて座るところ、今日は後ろの壁沿いに1列に座っていました。

 テストの形式は、ひとりひとり前に呼び出され、その場で質問に答えてゆくというもの。質問自体は紙に書いたものを渡され、口頭で答えるという形です。全員の視線を感じながらですが、逆に言うと閉ざされた緊張感に襲われずに済むかもしれません。

 僕は4番目に呼ばれましたが、どうやら質問自体はみんな同じものらしかったです。とはいえ、前の方々がどうやって答えているかは聞こえず、同室に待機するメリットはほぼないといってよかったと思います。

 質問は以下の3つでした。もちろん質問項目はすべてフィリピノ語で書かれています。

・自己紹介

・自分の国にあってフィリピンにないものは何か

・ふだんUPで何をしているか

 1つめはまさに予想通りで、途中言うべきことをド忘れして、ちょっと短くなりながらもきちんと答えることができました。"Malaki ang buhok ko."とかちょっと変なことでも言ってみようかと思いながら、やっぱりテストだしと"Tahimik na lalaki ako."で〆ました。

 2つめの問いは非常に困りました。質問の内容がわかっても、何を答えてよいかわからなかったのです。しばらく無言で悩んで、「お寺や神社がそこかしこにある」「そこにはお祭りがある」「祭りでは食べ物を食べられる」という程度のことを絞り出しました。この辺り、如何に自分が無自覚に生きているかを思い知らされるわけでして、もっというとこのくらいの質問には即座に答えられなくては「日本語パートナーズ」失格ともいえます。もちろん、限られた語彙(特に動詞)の中で言えることには限界がありますが、内容が頭にないというのは問題と言わざるを得ません。

 3つめはまあまあでしょうか。文法項目としては、動詞の”Imperfective”を問うているわけですが、朝何時に起きて、何を食べ、学校で何をしてというのを簡潔に述べることができたと思います。ここで必要な程度の動詞は頭に入っていますので、知識としてもあまり不足はないように感じました。

 で、最後にAdditional Questionとして、絵を見て何があるかを述べるというタスクが与えられました。これは習ったうち”Nasa”を使って表される場所の言い方を問うているのでしょうが、これもどうにかなりました。といって、答えたのは「公園で子供が遊んでいる」「男4人と女2人」「公園の外には高いビルがある」「彼らは楽しそうだ」くらいですが、習得ゼロの状態から考えればそこそこの進歩かと思います。

 

 最後に記念撮影をして終わりましたが、やっぱり授業を受けてよかったという思いでいっぱいです。授業がなくてはコツコツ勉強することもありませんでしたし、テストのために集中することもなかったわけで、そうすると今のように少なくとも曜日や月の名前くらいなら憶えている、というような状況は生まれなかったでしょう。

 ここからは、習った基本的な知識をより実用的なほうへシフトすべく勉強を続けていきたいです。

 

 あと、日本についてももっと普段から考えなくてはいけないですね。

*1:僕は極めて時間にルーズです。仕事の場合は遅れないよう気を付けていますが、5分前に、とかいうのはなかなか厳しいのです。時間に限らず、僕はいい加減な性分ですから、まあそのように判断していただいて構わないですが、他の人に迷惑をかけるのは避けたいところです。