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日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間派遣予定。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在149日目:心身をすり減らす①「忘年会的な」

IN THE PHILIPPINES 授業アシスタント フィリピン事情 日本の話

 12月になりまして、UPでの学期も終わりを迎えようとしています。それに際して期末のオーラルテストやらを手伝うこともあるわけですが、今日のある授業ではFinal Presentationと題した発表会が催されまして、僕たち日本人も何か出し物をと言われていました。で、色々考えた末に「ソーラン節」でもやってみようかということになりました。

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 「僕たち」といいますのは、僕以外にもこのクラスを見学している日本人留学生が何人かいましたので、それを巻き込んでの発表となりました。その学生たちはタガログ語を専攻しているということでして、授業で先生の言うことが10%くらいしかわからない*1僕にとっては羨ましい限りです。

 

 発表自体は「日本に関するもの」であればなんでもよいらしく、2クラスにわたって見させてもらいましたが、チームだったり個人だったりいろいろの発表を見ることができました。

 やりやすさから歌やダンスが多い印象ですが、けっこう変わり種もありました。

 例えば俳句の朗詠。ペアのひとりが日本語で俳句を詠み、もうひとりが追いかけて英訳を唱えるのですが、たいへん情感に溢れていまして、シンプルながら惹きこまれる発表でした。学が足らずに誰の俳句かわかりませんでしたので、辛うじて覚えていた一首を調べてみますと、なんと山口誓子。確かに現代人が読んでも理解しやすい文語文だとは思いますが、ちゃんと伝統的な俳句を選定していたとは感激です。おそらく主題をもとに検索したのでしょうが、それにしてもいいところを選んでいました。

 それから二人羽織のようなものもありました。暗幕からひとりが顔と手だけを出し、いまひとりは手だけを出します。顔を出した学生の手を足に見立て、残った手をそのまま手として表現しますと、頭足人のようなシルエットが出来上がります。『黄金狂時代』でチャンプリンがパンとフォークでダンスを披露したの*2を思いだしましたが、面白いアイディアです。彼らはこれで「ようかい体操第一」を踊っていました。

 個人的にはフルートの独奏もあったりしたので大変に楽しめましたが、全体にアニメと関連させた発表が多かったようです。『血界戦線*3』『Re:ゼロ*4』『涼宮ハルヒの憂鬱*5』『秒速5センチメートル*6』『君の名は*7』などなど。新しいのも話題作もきちんと網羅されています。

 

 そうした発表を終え、最後に「スペシャルゲスト」として僕らが踊る形となりました。

 あまり練習の時間もとれず、全員で合わせたのは昨日の2時間ばかりでしたが、どうにか勢いだけで押し切った感があります。そもそもソーラン節*8のよいところって、威勢がよいわりに簡単な振り付けであるところと、みんなで声を出しながら踊れるところだと思いますし、そういう意味では「盆踊り」より楽しめるテーマだと思います。

 とはいえ今回はみんなで踊ることは主眼ではありませんので、掛け声だけはしっかりリピートしてもらうように説明し、踊る側の僕もできるだけ声を張り上げるよう努力しました。衣装の用意もちゃんとはありませんでしたので、法被だけを羽織る形でしたが、楽しんでもらえていたら嬉しいです。

 練習続きということもあり、加えて朝から2回公演でしたので脚はガクガク。日頃の運動不足もたたって座るのに不自由するほど疲弊しきってしまいました。しばらくは写真撮影に際しても中腰の姿勢はとれなさそうです。

 なお、振り付けについては以下の動画を参照いたしました。大変わかりやすく、感謝の念に堪えません。

www.youtube.com

 終わってからは学生たちが用意してくれた軽食を頂きましたが、発表自体が長引いた関係で、あまりゆっくりもできませんでした。

 といいますのも、これはこの授業に限ったことではないのですが、プレゼンの類においても学生たちはカッチリやろうとしないのです。この国は日本のように時間にタイトではありませんし、風潮としてのんびりしているわけですが、それはFinal Presentationのようなちょっとしたイベントでも例外ではありません。どっちがいいとかいうわけでもありませんが、僕はあまり口うるさくやるのは好みませんで、フィリピンでの仕事の方がストレスは少なかろうと思います。

 

 そういうわけで少し慌ただしいながらも記念撮影をして、授業は終わりました。考えてみますと、日本語のクラスの多くは言語学専攻以外の学生が履修しているものですので、今後彼らに会う機会も格段に少なくなることになります。寂しいといえば寂しいですが、ものを教える立場ってそういうものですよね*9

*1:このパーセンテージはわかる語彙量の体感的な割合ですので、文の理解度はもっと劣ります。逆に言うと、言葉が分からなくても状況から推して把握するということも往々にしてありますので、けっこう微妙なところです。英語はというと、75-80%くらいでしょうか。ふつうに暮らす分にはまったく不自由ありませんけど、単語が全部わかるかというとそうでもありません。

*2:映画史に残る名場面だとは思いますが、全編サイレントなのであまり見る機会がなく残念です。余談ですが、僕はチャップリンなら『モダンタイムス』が一番好きです。中学のとき"Titina"のすばらしさに心打たれた記憶があります。

*3:2期が決定したそうでめでたいです。1期は最終回が遅くなったこともあって、ちょっと間延びした印象もありながら、演出ほか見事にできた作品だったと思います。OpとEdの両方が大変良曲であるというのも特徴のひとつです。

*4:つい最近のアニメです。フィリピンに来るまでは継続してみていましたが、さすがにこちらに来てから見る手段がなく、途切れてしまっています。途切れたところは、ちょうどネットで「鬱回」と称されているところの直前の話でした。

*5:これも根強い人気です。原作もアニメも変な感じで止まって、けっこうな年数がたってしまいました。いちおう全部読んだはずなのですが、ほとんど覚えていません。といって、これに限らず、読み終わった作品の筋は読んだそばから忘れていくから困ったものです。

*6:テーマソング「One More Time, One More Chance」も有名です。そもそも新海作品全般がこちらでも大変人気があります。

*7:言わずと知れたヒット作。もうすぐフィリピンでも公開されるということです。実をいうと学生のほとんどはすでに観ている状態なのですが、どうやってかは僕に聞かないでください。

*8:今回踊ったのは、もちろん世に言う「南中ソーラン」です。wikipediaによると、もともとは北海道の民謡で、現在のように小学校で踊られるようになったのは「稚内南中(=南中)」向けにアレンジされてからとのこと。僕も小学校で踊った記憶はあるのですが、調べてみますと「キッズ・ソーラン」というアレンジだそうで、まして振り付けなどまったく覚えていませんでした。漁で網を引き揚げる動作とは知っていましたが、鰊(Herring)だというのも知りませんで、大いに好奇心を刺激されます。

*9:もちろん人によってはFBでつながり続けることになりますが、ただ「友達」になっているだけという場合の方が多いですね。そういう人のフォローを外すというのも違うしなぁと思いながら、やはり「友達」は徒に増やすべきでもないものと再認します。最近気づきましたが、「友達」が1000人とかいるのに、投稿への「いいね」が常時10を超えないような人もいたりして、「友達」とは一体何ぞやという思いに駆られています。