日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間の活動を経験。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在125日目:フィリピン4期募集に際して思うこと

 さて11月です。先月頭は「おお、とうとう中間研修だ」と思っているうちに半月が過ぎ、中間研修が終わってからは「ここからの半分はあっという間だろうなぁ」と感慨にふけっていましたが、その感慨が引ききるより早く次の月になってしまいました。

 ある一定期間があったときに、後半が前半よりはるかに速く過ぎ去るのは世の常でしょう*1が、一方で僕のやりたいことはまだまだたくさんあります。なんて書くと、僕がクリエイティビティ滴るアイディアマンのようですが、前半はやることがなくて悩みに悩んでいました。中間研修で他のパートナーズの活動報告を聞いているうちに、あんなことやこんなこともできるなぁ、と啓蒙された次第なのです。

 

 それはそれとして、ついに来期の日本語パートナーズの募集が始まりました。

jfac.jp

 ブルネイとかの国は9月あたりに募集していましたが、お待ちかねフィリピン4期も書類の受付が開始されたとのことです。

 書類や面接については、過去の記事でそれなりに詳しく書いたつもりですので、お困りの方はご参照頂くとよいかもしれません。

 

 第一次選考:書類審査まで

 第二次選考のまえに:健康診断など

 第二次選考:面接

 

 滞在4ヶ月をまわり、改めて選考過程などを振り返ってみますと、パートナーズに選ばれた人たちは、選ばれるべくして選ばれたのだという印象を受けます。別に僕(ら)が優れた人材だと大っぴらに言うつもりはなくて、ただこの派遣が、その人の人柄や適性などを十分考慮してなされたものだと実感しているのです。

 

 僕の場合はまたちょっと特殊ですが、日本語教育について予てから勉強を続けていたことと、UPにご縁があったこととが考慮された部分はあると思います。「コネ」、なんていうと聞こえは悪いですが、実際その背景があったからこそ楽に活動できている部分はあります。もっと言いますと、UPの先生方からしても僕が来るということで安心感はあったのではないでしょうか。

 「コネ」の話はさておくとしても、たとえば過去に「青年海外協力隊」に参加して過酷な生活を経験した方は、田舎のかなり不便な土地*2に派遣されていたり、自分の研究している分野に関わる土地に派遣されていたりしているようです。もっと細かくは、それぞれの性格が派遣先の学校になんとなくあっているような雰囲気も感じられます。

 僕の性格とか性質も例外ではなく、UPとのマッチングにきちんと影響しているようです。たとえば面接で「料理は一切しません」と断言しましたが、今住んでいる所は自炊をせずとも徒歩で行ける範囲にレストランがあります。もっと言いますと、僕は一人暮らしの経験がありませんので、掃除や洗濯を自分でしなくてよいというのは、こちらでの活動において無駄な(?)ストレスを被らなくて済んでいる要因と言えましょう。

 

 何が言いたいかというと、僕は「日本語パートナーズ」事業については、もっとたくさんの人が気軽に応募していくべきだと思うのです。

 面接だってそんなに気張らずに臨んでも、持ち味をしっかり汲み取ってくれますし、よしんば選考に漏れたとしても、それはたまたま派遣先の地域や学校と応募者の相性とが合わなかっただけですから、全く気に病むことはないと思います。極端な話、どうあがいたところで選ばれる人は選ばれますし、合わない人は始めから対象外なのではないでしょうか。

 

 年齢も、ここでは大した問題になりません。もちろん学校によって若いほうが体力的に望ましいなど事情はあるかもしれませんが、キャリアを積まれた方は僕らにはないような豊富な経験がありましょうから、それが派遣先のニーズに合えば難なく選ばれることと思います。繰り返しますが、そのあたりも含めて考慮するのが書類選考と面接とです。

 ただし、個人的には若い人、とくに大学生がもっと積極的に応募するといいのになぁと感じています。実のところ、僕は在学中からこのプログラムを知ってはいたのですが、休学して卒業を伸ばすのがためらわれて、結局卒業してからの参加となりました。けれども今になって思えば、卒業してしまって「後がない」状況*3で行くよりも、いちおう学生に戻れるという後ろ盾があったほうが先行きも安心ですし、卒業までに今後のキャリアをゆっくり考えることも可能になります。もっと言いますと、仕事に就いてしまっていればそれを辞めるリスクもかなり大きいわけです。

 

 このプログラムは、日本語の専門知識や経験が不問です*4ので、海外に興味がある、長期で滞在したい国がある、という人は是非に応募すべきだと思います。JFからは充分な支援を受けられますし、留学(自分の勉強)以外の目的で海外に行く機会は、ふつうにはそうそう得られるものではありません。

 

 そんな風に振り返りますと、僕が選ばれたことについて自信がなくなってくるわけですが、期待される最低限の仕事は成しているものと信じたいです。

 強いて言えば、もっと実用的な趣味や特技があればなおよかったなぁとは思います。「長い旅に必要なのは大きなカバンじゃなく、口ずさめる一つの歌さ」とはスナフキンの名台詞ですが、全く然りと心に染み入る日々を過ごしています。

*1:中学2年のとき、2学期辺りで先生が「ここからもう半分の中学校生活は、これまでの半分より速く過ぎて行く」と言ったのが記憶に残っています。当時はそんなこともなかろうと思いましたが、全くその通りでした。

*2:といっても、たとえばアフリカのある地域のように電気もガスもない、という環境ではありません。パートナーズは現地の生活を体験することも目的の一つとされていますが、そこまで過酷な環境は用意されていないように感じています。

*3:僕は実際後がありません。派遣終了が3月末ですので、次の4月からなにか始めるのも難しく、かといって1年空けるのは少し大きすぎるなぁと、うっすら不安を抱いてはいますが、今のことで手一杯なので将来を考えるいとまがありません。

*4:とはいえ、派遣先機関によっては若干考慮されているようです。