日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間の活動を経験。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在105日目:テストいろいろ

 フィリピノ語のテストが返ってきました。満点の確信など毛頭なく、かといってそこまで低い点を取ったという自覚もないままうけとってみますと、果たしてまずまずのスコアでした。

f:id:chihariro:20161124171623j:plain

  満点は65点ですが、末尾に「ボーナスポイント」なるものが3点ありますので、実質68点満点と考えるべきでしょう。ボーナスはしっかり獲得しましたので、本テストでは4点落としたということになります。

 何を間違えたのかというと、”maingay(noisy)”を”maingai”と書いたので2点落とし、”Oktubre(10月)”を”Octubre”としたのと「2017年」の表記の仕方が分からなかったのとでそれぞれ1点ずつ落としたという具合です。逆に言うと、本命の部分(基本的な文型や語彙)についてはおおむね正答を示せていたので、まあいいのかなとも思います。

 

 これまでに僕がUPで受けたテストはフィリピノ語の2回だけですが、日本語のテストについては先生の側から見てきました。

 UPの特徴としまして、先に述べたような「ボーナスポイント」が豊富であるという点が挙げられます。今回僕が受けたものでは「あなたの誕生日はいつですか」「あなたのパーソナリティを3文で書きなさい。ただしすべての文で形容詞を用いること」といった具合で、前回は「クラスの友人について5文で紹介しなさい。ただし内容はすべて真実であること」でした。

 これくらいならまだ授業で扱った内容の発展と理解できますが、他のテストで見たことがあるのは例えば「私(先生)のPCのデスクトップにはある映画のタイトルを使っていますが、そのタイトルと監督の名前を答えなさい」というもの。この場合、デスクトップはプロジェクタで度々投影されていますので、授業で極めて集中していれば記憶できないこともありませんが、日本で稀に見られるように「ちゃんと授業を聞いているか」を計る指針ではないと思います*1。おそらく、単純に遊び心として点数を上げちゃおう、という粋な計らいなのでしょう。

 

 大学の単位がかかっている、という観点からすれば公正ではないのかもしれません。けれどもこうしたやり方は、なんともフィリピンらしいといいますか、大らかな気風を感じずにはいられないのです。

 完璧主義のキツい僕にとって、ボーナスではあっても点を落とすというのはストレスでしかありませんので若干辛さもあるかもしれませんし、作る側として僕がそういう問題を作るかといったらそんなことはないと思いますが、テストへの向き合い方の違いというのも改めて着目すると面白いものです。

 ところで、僕の友人(学生)が何かのテストで合格点が取れなかったと嘆いていました。話を聞いてみると、渋滞のせいで学校への到着が遅れ、20分しか解く時間がなかったというのです。フィリピンでの予測の絶たない交通は、学生にとっても非常に大きな問題なのですね。

*1:僕が知っている範囲では、こと共通科目の先生方は如何に自分の授業を聞いていたかを問おうとしている姿勢がうかがえました。授業を聞かずとも、自分で調べればわかる内容が出題されないのは大学として当然のことですが、授業に出ていないと思いつきそうもない凡例を挙げさせるのはそれほど有用なこととは思えませんでした。確かにそうでもしなければ、ノートのコピーが横行している"腐った"現状を打破できないというのもわかるのですが……。僕の大学もそんなに程度の低いわけではありませんでしたが、しかしマトモな学生は半分がいいとこだと思います。