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日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間派遣予定。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在65日目:ふろしきは風呂に敷くか

IN THE PHILIPPINES 授業アシスタント 日本の話 小物・便利グッズ

 いつの日も仕事というのは急に舞い込んでくるものでございます。自分を追い込むという意味では優れた環境ですが、ちょっと困るのは完成度の至らなさに自分が満足できないことです。ちゃんと準備したから満足するかというと、ほぼ確実にそんなことはないのですけどね。つまりどうすべきかというと、予めできること(プレゼン資料など)のストックを用意しておくことが重要なのです。

 それはそれとしまして、今回は2クラスにおいて「ふろしき」の文化体験を催しました。

 ベタなところでいくと、折り紙もなんでもできますので自由度が高いですが、ふろしきも実はなんでも器用に巻けますので、色々な活動が期待できます。

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 とはいえそれだけではつまらないので、前半で15分ほどプレゼンをすることにしました。

 まずは歴史から。平安期には「ひらぬの」と呼ばれて衣服を包んでいたものが、江戸期になって銭湯で用いられるようになり、包む用途のみならずバスマット的に使われたため「風呂敷」になったとかいうことをさらっと説明します。定説のようですが、これを裏付ける資料がなかなかなくてちょっと困っています。江戸期に描かれた銭湯の絵を見ても、風呂敷を床に敷いた例は発見できませんでした。日本に帰ったらもう少しちゃんと探してみよう。

 それから実際に使われている写真(1930年代に田舎から都会へ出ていくシーン)やアニメ・漫画で使われている箇所を見せたりして、「あぁ、あれのことね」という認識を持ってもらいました。ところで、唐草模様のふろしきは泥棒の印象が強いですが、あれがステレオタイプとしてなった経緯が気になります。最初に戯画化した例はどこにあるのでしょうか。

 次いで、環境によいから見直されつつあり、万能的になんでも包むことができることを紹介しました。弁当箱のような四角いものはもちろん、スイカのような丸いもの、ビンや赤ん坊に至るまで、まさになんでもござれです。

 

 ここから実演に入っていきますが、まずは「真結び」の結び方を説明します。これに失敗すると結び目が十字になり、強度の面で問題が出ますので、ある種一番大事な工程です。包み方として紹介したのは基本的な箱包み、簡単なおけいこカバン、ボトル1本・2本の4種類でした。

 もちろん僕の手持ちは1枚しかありませんので、事前に先生に告知していただき、学生各自にバンダナなど正方形の布と中に包むものとを用意していただいていました。バンダナだと少し小さいかとも思いましたが、みんな持ってきたのがペットボトルの代わりに缶だったりしたので案外大丈夫でした。

 包み方を予習する時にはいろんなサイトを参照しましたが、中でも以下は英語もわかりやすくまとまっていて、大いに助かりました。

www.miyai-net.co.jp

 活動としてはただ包むだけですのでちょっとつまらないかなとも思いましたが、完全に杞憂でした。学生たちは夢中になって取り組んでいましたし、それどころか布の端々にまで気を配り、如何にきれいに見せるかを追求する動きまでありました。正直言って僕は決して手先の器用な質ではありませんので、学生たちの方がはるかに美しく包めていたと思います。

 ネタがつきかけ、でも時間にやや余裕があるところで、先生から本2冊包み、缶2本包みの2種類が紹介されました。包み方は無数にありますので、何人かで知っているものを分担して教えるのは効果的だったと思います。(実は僕が無知だっただけ)

 

 ひとつの包み方を終えるごとに、逐一全員で写真を撮りました。高く掲げられた色とりどりの包みはそれだけで絢爛でしたが、学生たちが楽しそうに持ち上げるのがそれをより輝かせているようでした。詳しい模様は「フィリピン3期」のFBページでご覧ください。

 最後に廊下に出て、床に作品群を並べましたが、これまた綺麗です。2つ目のクラスでは「UP」という文字の形においたりしていて、つくづく感性の高さがうかがえるというものです。

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 ちょっと驚いたのは、この文化体験にも点数が付されるということです。いちばんうまくできた作品を先生と僕とに見せ、その出来栄えが判定されました。もちろん低い点数がでることはなくて、完璧なら満点、すこし崩れたら-1点という程度のものですが、こうしたアクティビティでもボーナスがもらえるのはおもしろいと思います。

 

 やっぱり準備不足で、英語の説明がうまくできなかったのは実に悔しいです。ただ、この企画自体は使い回ししやすいものですので、”Tomorrow is better day”としたいです。

 ちなみに僕のふろしきは「むす美」というメーカーから売られている、竹久夢二の模様があしらわれたもの。淡い色合いが気に入って、豆模様を買いました。ハンズで一目ぼれしたものですが、これがなかったらふろしきの発表自体できていなかったので、夢二に感謝です。サイズも90cm四方と万能な感じです。