日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間の活動を経験。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在60日目:ひっつき虫的タガイタイ観光

 マニラ首都圏って、実は観光する場所が少なかったりします。確かに先日行ったフォート・サンチャゴなんかは素晴らしい遺跡ですが、美しい海とか自然を見ようと思ったら別の島まで行く必要がでてきます。

 車でギリギリ手軽に行ける範囲となりますと、「タガイタイ」の名が挙げられます。3年前にも訪れましたが、美しい緑と高地からの眺めは澄んでいました。今回は、その周辺にお宅をお持ちの先生に招待され、一泊の旅程をご用意いただきました。先々週から来ている後輩たちの滞在も残すところ4日となっていますので、あくまでメインは彼らの観光であります。

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 朝は7時に集合して、KFCでブランチ。みんなが米を食べる中、僕はどうしてもパンの気分でしたのでサンドウィッチを注文。スクランブルエッグとチキンが挟まっただけのシンプルなものですが、そこは天下のケンタですから美味でした。ハッシュドポテト、ホットチョコも合わせて88ペソというのは嬉しい限りです。

 

 晩御飯はみんなで作ることになっていましたのでスーパーで買いだしもしました。そもそもスーパーが好きというのがありますが、わいわい言いながらのショッピングは格別でした。いまだに見たことないフルーツは多いですので、先生方にどういうものかを聞きまくります。

 献立はカレーとシニガン(酸っぱいスープ)なので、それにあった野菜をカゴに放り込み、夜の賑やかしにスミノフサンミゲルビールをゴロゴロ購入しました。ついでにと大好きなルートビア*1も買いましたが、後輩たちは渋い顔をしていました。

 

 先生のおうちは、頑強そうでありながら風通しの良く涼しいお宅でした。ベランダから望む緑も豊かで、避暑地とみなされているのも納得の過ごしやすさでした。

 ひとまずまったりしようと部屋でしばらくカラオケに興じ*2、のち『21 Jump Street』を見ました。映画の英語は基本的に速いうえ、本作の場合は下品すぎるところもあってよくわからないところも多かったです*3が、それを差し引いても面白い映画でした。初耳なのですが、有名作なのでしょうか……。

 

 夕方になって観光へ繰り出しました。

 

 タガイタイの名所といえばタール火山がもっとも有名です。湖のまんなかに浮かぶ美しい山を遠くから眺めるのが、少なくとも僕の中では定番となっています。以前どこから見下ろしたのかは記憶にありませんが、今回行ったのはピクニックグローブ。あとで古い写真を見返したらどうやら前回と違うところでした。

 入り口から少し高台にのぼるとお土産屋さんがひしめき合っています。竹笛とかヘビのおもちゃ、ネズミ―ランド的な被り物までありました。あまりこういうところでは、はしゃいで買ったりしないほうなのですが、これを見付けては買わないわけにいきませんでした。

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 (あえて遠目の写真)

 カエルの革を形そのまま利用した財布です。前回にも半身の財布を買いましたが、日本で買うとけっこうな値段がしたはずです。さすがに外で使うのは躊躇われますが、もの好きへのお土産にでもしようかなという企みです。全身半身合わせて1000円くらいでした。

 

 幸い天気は悪くなかった*4ので景色は楽しむことができました。遠くに臨むタールの噴火口はすでに休まり、雄大な緑のくぼみをこちらに向けています。

 やりきれないのは、「お兄さんボートのらない?」「乗馬は?」と畳みかけてくる人の多さです。去年行った場所でもそうでしたから、フィリピンでは当たり前なのかも。斜面ではStrawberry Tahoというのも売っていました。買ってみるとシロップ部分がイチゴ味。なかなか美味ですが売行きは芳しくないご様子。

 中腹の景色が良いところでたくさん写真を撮って、先生宅へ戻ります。

 帰り際にバロットを購入。もともと嫌いではありませんので、やはり今回も食べておかなくてはいけません。ただし見た目は望むべくもありませんが……。

 

 家に帰って、みんなでカレーとシニガンを作ります。とはいえ僕は料理を一切しないので、野菜を鍋に放り込むくらいしか請け負うことができません。シニガンを作っているところは初めて見ましたが、材料は日本でもふつうに手に入るものばかり。要はなにをいれてもよいのでしょう。市販の粉とFish Source(魚醤)を入れればおいしいエビシニガンの完成です。

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 カレーは日本製のルーを使っていますので安心の味。というか、カレーももう2ヶ月食べていなかったのですね。時間の感覚がどんどんずれていきます。

 

 あんまりおいしいので、うっかり食べ過ぎてしまいました。実は、どうもこちらに来てから胃の調子が万全ではないのです。といって別に痛んだり下したりしているわけではないのですが、キャパシティが変わったようなのです。以前ならもっと食べられたというのもひとつですし、このごろ突然に限界が訪れるようになりました。で、その唐突の限界がもたらすのは吐き気です。この日も例外ではなく、食べ終わってから具合が悪くなり、少しばかり戻してしまいました。旅行に来てまで体調を崩すとは、まだまだ修養が足りませんね。

 

 ちょっと寝込んで夜中の12過ぎに目をさますと、みんなでボードゲーム(?)に興じていました。僕が寝ている間に2種類が終わったようで、最後のゲームに参加させてもらいました。

エセ芸術家ニューヨークへ行く

エセ芸術家ニューヨークへ行く

 

 「エセ芸術家ニューヨークへ行く」というゲームで、初耳でしたがかなり面白い。お題に沿ってひとりずつ一筆加え、みんなで絵を完成させるのですが、メンバーの中にひとり「エセ芸術家」ことお題を知らない人が紛れています。完成した絵を見て、そのエセ芸術家が誰かを当てるというゲームになっています。正直言ってエセ芸術家を当てるフェイズはそんなに重要ではなく、絵の下手さや意思のつたわらなさが非常に楽しかったです。

 もともとこういう戦略的なゲームは好きなほうですが、なんだか買い集めたいような心境になってきました。本の収集でそんな余剰スペースはないのですが、いろんなゲームを覚えてみんなで遊ぶというのもいい趣味ですよね。

 

 スミノフを交えたゲーム大会は、2時ごろまで続きました。

*1:サロンパスの味として名高い炭酸飲料です。僕はドクターペッパーも好きですが、ルートビアについてはハワイにいる時にも2Lで常備していました。日本だと沖縄ではA&Wの影響でよく飲まれていますが、残念ながら東京ではまず見かけません。

*2:日本の曲はほとんどありませんでしたが、宇多田ヒカルとボルテスⅤとは歌われていました。フィリピンでは家庭にカラオケがあるのもザラみたいです。

*3:下品な作品が嫌いかというとそうでもありません。アニメですと"Family Guy"はすごく面白く見ていました。もちろん全部は聞き取れませんが、パロディの精神など思い切りのよいのが好きです。日本語の字幕を見る機会は、いままで持てずにいます。

*4:僕は雨男として名高いです。前回のフィリピン滞在で台風に見舞われたのも、僕の力によるところが大きいと専らの評判です。