日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間の活動を経験。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

滞在12日目:週末のモール探索

 ストレスというと大げさなのだけど、こっちでの生活はけっこう精神的にこたえています。いくつか要因はあるわけですが、ごく簡単に言うと「さみしい」というのが一番大きいようです。というのも、僕はこれまでに一人暮らしというものをした経験がありません。これまでの短期留学やパートナーズの研修などで、疑似一人暮らしのような生活をすることはあっても、日中には必ず学友かそれに準ずる人がそばにいてくれました。ところが今回は、部屋に帰っても学校へでても一人という、尾崎放哉の句*1を彷彿とさせる日々なのです。普段は孤高を気取っているように見られることもあるのですが、事実はそうではないみたいですね。
 更に悪いことには、その慰めとなるであろうインターネットの環境が、フィリピンでは充分でないのです。前回の滞在である程度予想はしていましたが、今回はそれ以上につながりません。もちろん大学にくれば快適に使えるわけですが、いま滞在している寮にはwifiが飛んでいません。(前回は不安定ながらもあった)補う手段としてポケットwifiを先生に借り、どうにかネットが「ある」状態にこぎ着けていますが、基本的にPCのブラウザは使い物になりません。最初の2日くらいはそれなりに使えていたのですが、ここ数日は全然です。これが容量オーバーによるのか、天気によるのか、混み具合によるのか、どうにもわかりかねています。(先日、午前1時過ぎにYoutubeがつなげるほど回復したことを考えると、規定容量をオーバーしたというわけではなさそうです)
 で、もうひとつこれは僕の失態によるものなのですが、周りでの会話が全くタガログ語によっているというのもけっこうさみしいものです。「英語が通じる」というのと「英語が話されている」というのは微妙に異なるわけですが、2度目の滞在であるにもかかわらず油断していました。せめて準備期間の3週間に、中学校1年生レベルの英語くらいにタガログ語を覚えていれば、もっと有意義に時間を過ごせているはずです。(クラッシェンのインプット仮説、「i+1」というのを思いだします)


 語弊のないように言っておきますと、僕はフィリピンの風土を嫌っているとか、「最悪だ」みたいに言うつもりは毛頭ありません。僕がストレスを感じているのは、どうあれ生活環境の変化によるものですので、誤解なきよう。加えて言うと、大学のスタッフの方はみんな僕によくしてくださっています。それはもう恐縮してしまうほどなのですが、その態度こそが日本人的なのかもしれませんね。もっと元気にいかなくては。

 で、そんな鬱屈を吹き飛ばすべく、この週末は近場にお出かけをしてきました。

 
 土曜日はジプニーに乗って近くのSM northへ。ようやくというか、これだけ乗ればさすがにジプニーにも慣れてきます。同じくマニラ首都圏のお姉さま1名と連れ立ってふらりとモールを見学しました。
 良いのか悪いのか、今日はセールの真っ最中でして恐ろしい混みようでした。ここらの人がみんな集まっているのではないか、というくらい密集しています。この日は特段必要なものがあったわけではないので、どういうお店があるのかを見学しました。
 まずは昼ごはんということで、逡巡のあげくハンバーガーになったのですが、肉の味がしっかりしているし存外野菜は多いしということで満足です。chipsとドリンクをセットで付けたものの、なぜかフレンチフライも一緒に来てしまったので、次はセットじゃなくてよさそう。見た目は小さいですがけっこう量があります。

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 周りをみれば日本食もかなり散見されました。

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ただしいずれも、こちらの物価を考えればかなりお高めです。富士そばなんて、日本だと一番安い部類なのですが。

 そういえば、僕の部屋にはヤカンがありますが、鍋などその他調理器具はありませんでした。僕は料理が一切できませんのでかまわないといえばまあそうなのですが、とはいえインスタントのラーメンすら温められない環境もいかがなものかと思うので、鍋もかねたティファール的なものを買うのも視野に入れています。


 本日、日曜日は大学にほど近いUP town centerへ。徒歩で行ったのですが、実はここを目指していたわけではなくて、もっと先にある(と記憶しているところの)開けた場所に行こうかと思っていたのですが、こんな近くにモールができていたとは感動です。初日に僕の歓迎会を催していただいたのもこのモール内でしたが、その時は車で行ったので近さに気づきませんでした。
 昼はなつかしのIHOP*2へ。パンケーキも食べたかったですが、さすがにそこまでは贅沢が過ぎると食事のみに抑えました。

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ポークチョップwithパイナップルサルサというもの。しっかり野菜が摂れそうです。パイナップルの酸味がいい味を出しています。それに加えてコーヒーも頼みまして、これは「never empty coffee pot」というもので要するにおかわり自由なのですが、でかいポットがテーブルに用意されます。

 で、食後は本屋へ。狭いながら1時間くらい見て回ったところ、やはり僕は本が好きなのだなぁと再認しました。いろいろな本を見て、手に取るのは実に楽しいものです。先述の通り、部屋でネットにつなげずいつも暇していますので、なにか面白い本を買って勉強しようかと思ったのですが、持ち合わせがないので断念。ちょっと悲しかったのは、日本から買ってきた「おもしろ消しゴム」がふつうに売っていたことです。キットカット抹茶味もそうですけど、いかにもなお土産はこちらで手に入ってしまうのですね。

 ということで今週末はぶらぶらと辺りを散策したわけですが、来週からはどうなることやら。部屋でだらだら、という未来が見え隠れしています。

*1:関係ないですけど、僕は尾崎とか種田山頭火とかの自由律俳句が好きです。あれを俳句と呼ぶのは屁理屈だという声もわかりますが、文章芸術ならなんだっていいじゃないですか。

*2:僕が小さいときには日本にもありましたが、今は撤退してしまっています。調べたら2001年になくなったのですね。小学校2-3年生のころです。