滞在9日目:豚の丸焼きを食べる
研究室のある先生がお誕生日ということで、お昼ご飯に豪勢な準備がなされました。午前中は図書館でちょっと仕事をして、12時ごろいそいそと引き上げてくると、レストランから出張してきたような給仕さんと、料理が並んでいました。ご飯とcalamare(イカリング)とチキンの煮込んだグラタンのようなもの。お腹もちょうどすいていましたので、しっかりめにさらにとりわけむしゃむしゃと食べ始めました。
が、後から思えばここでそれなりに食べたのは失敗でした。メニューは僕が思うよりもはるかに多かったのですから……。
次に運び込まれてきたのは、lechon。フィリピン料理としては有名な部類で、早い話が豚の丸焼きです。そのショッキングな見た目から、日本人は嫌がる人が多いですが、要は単なる豚肉ですのでまずくなるわけがないのです。ばらした後の肉は惣菜として売られていたりもしますが、一頭まるまるというのはお祝いごとのときしか見られません。切り分ける前にもまず写真を撮らせてもらい、遠目にその体が削られていくのを観察します。
どこだったか忘れましたが、80年代に東京で「大マンモス展」というのが開かれていました*1。そこの展示物の中に、かなり保存状態の良い冷凍マンモスがあったのですが、半身はブルドーザーに轢かれてしまっていました。身をほじくり返された豚を見て僕が想起したのは、そのマンモスの姿でした(至極どうでもいい)。
味ですが、身の部分はホクホクの豚肉です。専用なのかわかりませんが、甘めのソースをつけて食べると美味です。で、特筆すべきは皮の部分。北京ダックは食べたことがないので相違点に言及できませんが、ぱりぱりと香ばしくてよいおつまみになりそうです。
お米と一緒にこうしたメニューを食べていますと、アイスクリームの出番となりました。ピスタチオでしょうか。おいしければなんでもよいのだと、紙コップに取り分けていただき、さらにそれをもう1カップ頂きました。
これで宴もおしまいかと思っていますと、アイスが更に2種類でてきました。曰く「混ぜて食べるとおいしい」というのでそのようにしますとこれもまたおいしい。チーズのようなあっさりめのと、ベリー的な酸っぱいのでした。この時点でアイスを3カップ平らげていますし、それまでにも(lechonが来た段階で)しっかり食べていましたので、これ以上食べられない! というような状態でありました。
とはいいながら食べるのは好きですので、一通りの物を食べきってしまいました。
研究室では、僕を太らせようプロジェクトがちゃくちゃくと進行しています。この日僕が得た教訓は、「何がどれだけ出るかわからないから、食べる場合は慎重に量を選べ」ということでした。
というか食べるのに意識を持っていかれて写真すらまともに撮っていないくらいなので、僕が巨体になるのも時間の問題かもわかりません。