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日本語パートナーズ記@マニラ

日本語パートナーズ フィリピン3期として9カ月間派遣予定。大学では国語学を専門にやっていましたが、キャリア的には背水の陣。

研修13日目:己の老いやすきを知る

 「少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず」とは中国の古典というかことわざみたいなものですが、僕はこのフレイズを剣道の先生から習いました。その先生は剣道七段を持っていて、初めてお会いした時すでに80才を超えていたはずですが、元気に竹刀を振っていらっしゃいました*1

「こんな大層な老人になるには、いまからちまちまと努力を続けるほかあるまい」

当時の僕はそう思いながらも、なかなかどうして地道に奮闘することができず、とうとう大人になってしまいました。

 なぜそんな話を思いだしたかというと、この2週間があまりに早く過ぎ去ってしまうことに驚愕したためです。べつに学生時代がのろのろ進んでいたとも思いませんが、研修で学ぶべきことの半分を修了したかというと、どうも自信が持てないのです。けれども確言できるのは、この2週間僕はそれなりの努力をして、少なからぬ成長を遂げたということです。

 

 

①英語

 毎週末恒例のミニテストです。前回はエッセイでしたが、今回は打って変わって、英検のような選択肢&ちょっと空所補充という形式でした。となると僕は得意分野で、英会話こそあまりfluentにこなすことはできませんが、こと選択式のテストにおいては異様な力を見せることができるのです。

 プレイスメントテストでも思ったことですし、すでに書いたことですが、ここでのテストは文法的とか単語とか、そういうレベルを問うものではないのです。たとえば次のような問題。

I lost my credit card.

 a) You should call the police first.

 b) You should call your credit card campany immediately.

問題文に対する応えとして適切なものを選ぶのですが、センター試験的に言えばこれはどちらも正解です。やりとりは成立しますし、文法的な誤りはどこにも見当たらない。しかしながら、実際にこの対話を使う場面を考えたら、(a)ではありえないのです。周知のとおりクレジットカードをなくしたら、なによりもまずカードを止めなくてはなりません。もっといえば、殊海外で警察に電話したところで、ほぼ解決には至らないと思われます。このようなある種「生きた」英語が問われるのがこのテストであり、「生きた」英語を学ぶことがこの研修の目的の1つなのだと再認します。

 

タガログ語

 前回は簡単な挨拶と名前の言い方程度を学びました。これでもまだ、小学校で導入される英語レベルにすら到達していません。

 今回は、さらに疑問文が追加されました。疑問詞"ano"を使った"Ano'ng pangalan mo?(What's your name?)"はすでにやりましたが、それの応用で彼/彼女の名前の問い方をも勉強しました。また場所の言い方や、新しい疑問詞も登場し、教室は混乱の渦に呑まれました。

 で、前回の"Ako si ~~~"という名前の言い方は、英語でいうところの"I'm ~~~"という言い方に近いようで、疑問文に対する"My name is ~~~"という完全な文の形は以下のように考えるとわかりやすかったです。

Ano'ng pangalang mo?――――― Ano chihariro ang pangalan ko.

What's your name?――――――― What chihariro is my name.

 語順は違いますが、疑問詞のはたらきが似ているので、そのまま置き換えれば平叙文を作ることができるのです。こうやって並べるだけで、注がなくても各語がどんな意味にあたるかは理解できるのではないかと思います。実際にはより短縮した言い方をするわけですが、初めはこういうまどろっこしい文から文型を学ぶとよいのではないでしょうか。

 他の疑問詞については、またちょっとややこしいです。

Saan ka pupunta?

    Pupunta ako sa _____.

 意味は"Where are you going?"と"I'm going to ___"なのですが、まず"saan"は「どこ」、"ka"は「あなたは」(ただし文頭の場合は"Ikaw")、"pupunta"がどうやら「行く」の未来形のようです。"sa"というのは場所の前に必ずくっつく言葉で、名前の前に必ず"si"がつくのと同じ発想です。これを見ると、タガログ語がVSOの構造をもっているのが分かるかと思います。一応文法的にはこういうやり取りとなるのですが、やっぱり長ったらしいので、"survival Tagalog"としては"Sa ___ (po)."という応え方で十分みたいです。

 覚えることが多くてヒイヒイ言ってますが、ベトナム行の方々はこれを毎日経験されているのですね。脱帽するほかありません。

 

 午後は何もないので市内にでも出かけようかと思っていたら、部屋で居眠りをしてしまいました。それだけ疲れていたのでしょうか。精神的にはまだまだ元気なつもりなのですが。

 で、夜は何名かで集まって近くの居酒屋へ。この辺りは海も近いことがあって、朝市も開催されるなど漁港が賑やかなようです。港(?)の真ん前にあるお店でしたが、寿司も刺身もなかなか美味。しかもかなりお手ごろな値段でした。珍しいものをいくつかご紹介。

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トビアラのから揚げ。品種なのかなんなのかわかりませんが、大阪ではメジャーな食べものらしいです。要するにエビのから揚げで、ぱりぱりと香ばしいのがたまりません。

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こちらはガッチョのから揚げ。アクセントは「法被(はっぴ)」とおなじです。前にいたウズベクの友達に「ガッチョのから揚げを食べたが、それはどんな魚か」と聞かれたのですが、名前が初耳で戸惑ったものです。調べたらどうやらコチの一種だそう。身が3枚にめくられてカラッと揚がっています。どちらもビールに合うおつまみでした。僕はビール好きではないのですが。

*1:その先生が北辰一刀流の免許皆伝だと知ったのは、そのしばらくあとのことでした。